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1998 年度 実績報告書

現代チベット語西部方言の記述およびキナウル語との言語接触について

研究課題

研究課題/領域番号 09710376
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 慶治  京都大学, 文学研究科, 助手 (20252405)

キーワード漢蔵語族 / チベット・キナウル諸語 / チベット語 / キナウル語
研究概要

今年度は、昨年度に引き続き、主としてインド西北部ヒマーチャル・プラデシュ州のキナウル地区においてキナウル語の調査、記述を行った。調査地は昨年度と同様キナウル地区の中心地であるレコンビオから西に約10km程度にあるPangiという集落であるが、調査期間の後半には、Baspa渓谷のSanglaとChitkulにおいても語彙調査を行った。
Pangiの調査においては、主として動詞の範列的な語形変化を記録した。キナウル語は、動詞に、主語または目的語を表す、代名詞起源と思われる形態素を付加するという特徴をもった代名詞化言語である。主語を表す形態素は、1人称と2人称が区別され、接尾辞として語末に付加される。3人称は特別な形式をもたない。目的語を表す接辞は、1・2人称が同形であり、動詞語幹と相を表す接尾辞の間に挿入される。3人称は特別の形式をもたない。
また、能格性や直示表現などで興味深い例が得られ、今後の調査の課題となった。
SanglaおよびChitkulにおける調査では、短期間であったため、J.A.Matisoflによる200語の語彙リストをもとに語彙調査を行った。この調査から、Sanglaでは発音上の違いはあるものの、Pangiとの語彙上の差異は大きくなく、Chitkulにおいては語彙の違いが大きくなることがわかった。また、いくつかの語彙でチベット語と同形のものがあるが、同源であるのか借用であるのかは今後の調査を必要とする。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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