今年度の計画に従い、 1.過去に行ってきた聞き取り調査の際録音したカセットテープ・DATテープ約80本(計約310時間)の複製を完了した。同時に内容の目録作りを進め、全体の半数強(約180時間)についてアイヌ語資料の時間確認を終えた。 2.上の作業によって確認されたアイヌ語資料のうち、口頭文芸数篇および口頭文芸のジャンル名称に関わるアイヌ語・日本語まじりの聞き取りの内容(とくにikopepkaという語について)を文字化した。 3.2までの作業によって得られた資料について、文法・語彙の分析と記述を進めた。その際作業用の文脈につき索引を作成・出力し、利用した。 4.3の過程での疑問点について静内・三石存在のアイヌ語話者への聞き取り調査を3回にわたって行い、新たな資料を得た。 5.以上の成果に基づき、論文「アイヌ語静内方言の後置副詞」資料紹介「織田ステノのイコペプカ」(いずれも『北海道立アイヌ民族文化研究センター研究紀要』4号)を発表した。
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