本年度の研究進行状況は次の通りである。 まず、本課題における問題意識を明らかにしておくために、「労働紛争処理機関をめぐる議論について考えること」『青山学報』180号という小稿を執筆した。ここでは労働紛争処理機関の問題と、権利保証のあり方が密接に関連していること、この場合に、特にイギリスのITとACASの関係に注目すべきことを指摘した。 次に、主に外国における労働紛争処理機関法制についての文献の収集、集めた文献の読解を行った。特にイギリスにおいては、近年の法制の変化についてフォロウアップを行い、アジア諸国に関しては、1997年度秋の日本労働法学会報告準備の過程で、法制の基礎的研究を行った。 具体的な論文に結実するのは、翌年度以降になると思われる。
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