本研究の目的は以下のようであった。プレイヤーが戦略的に退出できる繰り返しゲームモデルでの均衡の集合とその性質、さらにそのモデルの応用について研究したい。具体的には、一部(または全て)のプレイヤーが外部オファーを得て退出するこたができるモデル、または、ある期間をおいてその成績(パフォーマンス)をテストされ、一定のレベルに達していないとゲームをおりなければならないモデル、などの均衡を調べ、プレイヤーの退出のメカニズムと達成可能な均衡の集合との厳密な対応関係を解明していく。 今年度は二つのモデルの均衡を特定化する研究を行った。 1。外部オファーモデル:一部(あるいは全て)のプレイヤーが外部オファーを得て退出することができるモデル。 2。パフォーマンステスト・モデル:一部(あるいは全て)のプレイヤーがある期間をおいてその成績をテストされ、一定のレベルに達していないとゲームをおりなければならないモデル。 Mathematicaなどの数学ソフトウエアを用いて具体的な均衡を計算し、それを理論的に一般化するというやり方をした。1の外部オファーモデルについては切り替え戦略による均衡の理論的特徴付けができたのでこれを“Repeated Games with Outside Offers: A Characterization of Trigger Strategy Equilibrium Payoffs"としてまとめた。2については、まだ具体例を計算したものができただけである。 中間結果を東京経済研究センターコンファレンスとカリフォルニア大学サンディエゴ校で発表し、フィードバックを得た。
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