研究概要 |
1次元の生存時間解析では、変量効果が存在することを無視した場合,生存時間関数を過大に評価してしまうこと,そしてハザード関数を過小評価してしまうこと,といった影響が一般的にあり,その構造も明らかにされている(Omori and Johnson(1993))。この結果の多次元生存時間モデルへの拡張を多次元の変量効果を用いることにより行った。変量効果の分布が与えられたとき,多次元生存時間の条件付き分布が独立な生存時間分布の積になるようなモデルを考え、多変量の変量効果によりどのような依存関係をモデル化できるのかを以下の手順で明らかにした。 まず、多変量の依存・相関関係の尺度には、多次元ハザード関数やL測度などがあるが、加えて多次元におけるオッズ比の概念を帰納的に定義し、次にこれらの尺度間の厳密な関係を導出した。そしてこれらの尺度が、生存時間が与えられたときの変量効果の条件付きモーメント及びキュムラントの関数で表すことができることを示し(Omori and Johnson)、特に2次元・3次元の場合について様々な条件の下で具体的な影響を明らかにした(Johnson and Omori)。
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