研究概要 |
1変量の生存時間解析では、変量効果が存在することを無視した場合,生存時間関数を過大に評価してしまうこと,そしてハザードレートを過小評価してしまうこと,といった影響があるという結果を多変量の場合に拡張した。特にJohnson and Omori(1998)は2・3次元の場合,Omori and Johnson(1999)は一般の多次元の場合において、変数間の関連性の尺度をいくつか一般化して定義し、それに対して同様な結論を導いている。 さらにOmori and Johnson(1998)では離散時間の比例ハザードモデルへと拡張するために,まず、(1)変量効果のない多変量離散時間分布,(2)変量効果のある分布,(3)多変量分布における相関・依存関係の尺度 (同時ハザードレート,条件付きハザードレート,Odds Ratio,L-measureなど)について,理論的な結果を導くとともに、シミュレーションや現実のデータによる実証分析を行った。特にその推定においては変量効果の確率的シミュレーションをマルコフ連鎖モンテカルロ法によって行っており、より効率的なサンプリングの手法を尤度関数の近似、Blockingなど時系列モデルの方法を応用して提案した。
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