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1997 年度 実績報告書

中国の私営企業における経営者と経営効率:国有企業との比較

研究課題

研究課題/領域番号 09730040
研究機関札幌大学

研究代表者

汪 志平  札幌大学, 経営学部, 助教授 (00250407)

キーワード私営企業 / 私有経済 / 社会属性 / 私営企業主 / 公有中小企業の私有化 / 郷〓企業 / 民間金融 / 創業資金
研究概要

●中国における私営企業主の個人背景と企業の成功の関連について考察した。
Iwan Szelenyi, Vidtor Nee, Akos Rona-Tas等の理論によると,市場経済発展の初期段階においては,伝統的な計画経済体制下に劣勢地位にあった社会グループが新しい成功する機会を手に入れるが,市場経済化一定の段階に達すると,伝統的計画経済体制において優勢地位にいた幹部や高い教育を受けた階層が,私営経済に加入しに来て,より大きな成功可能性をもっている。この理論の背景は東欧諸国の市場経済化のプロセスであるので,中国の現実分析にどれほどの有効性をもつかについて実証研究を行った。その結果,相対的に高い教育水準,広い社会関係,技術者や経営者との特殊関係が重要な成功要因であるに対して,私営企業を起こす前に社会地位,政治背景,家庭背景などが需要な説明変数ではない。企業主の年齢も企業の成功との間に明白な相関を見いださなかった。
●北京の六大私営企業集団について調査した。北京市体制改革委員会と北京市工商連合会の協力を得て,北京市にある最大の私営企業集団である昌寧集団,通産企業集団,華普産業集団,金吉列企業集団,用友軟件集団,葉氏集団に対して,企業発展の歴史,業務内容,経営体制,市場戦略,製品開発,従業員教育,分配制度,抱えている問題などについて調査を行った。
●中国最大の私営企業である四川省の「希望企業集団」について研究した。また,ロシアから飛行機4機を購入して,アメリカにも進出している知名度の高い私営企業「南徳集団」についても資料収集をしている。
●私営企業の金融事情を研究した。創業資金の源泉,創業後の資金源泉,出資者構成,制度金融と民間金融の関係,資金効率などについて,『中国私営企業年鑑』のデータをもとに統計処理を行っている。
●中国における私営企業発展の歴史,私有制の歴史的役割などについても考察を行った。
研究成果として,(1)New Private Enterpreneurs in China : Family Relations and Social Connections(英文)は執筆中で,『札幌大学相当論叢』に投稿する予定。
(2)「中国における私営企業の経営:国有企業との比較」は,『日本経営学会誌』第3号に投稿する予定。また主な内容は,1998年9月に開催される日本経営学会第72回全国大会の統一論題「アジアと日本」において発表されることになっている。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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