研究概要 |
この研究が目指すものは,近代フランス経済社会の発展を加速化させた,商品流通体系の構築とその後の新展開に注目して,新たに流通・消費サイドから,具体的には国内市場総合化という斬新な視角から計量的,多面的に接近していくところにあった。 そこで,今年度では,これまでに研究者が開拓し,蓄積してきた数量データの計量的解析をさらに進めるために,国内各地の諸大学,研究機関の図書館および史料館を訪問し,史料検索・収集作業の充実を図った。収集した史料,各種統計書から抽出した諸データをパーソナル・コンピュータに入力し,ソフト化し,またその際に,多年次間比較を容易にするため長期推計を試み,様々な典拠から得た原データに加工を施して,より広範かつ統一化されたデータ・ベースを構築した。 また,フランスの事例を中心にしながら国際比較を行いながら,日本の市場・流通業の実務者からの「聞き取り調査」を実施し,諸データの有する意味合いを側面から確認するとともに,統計データがカヴァーしえない情報の補充と蓄積を図った。 来年度は,構築したデータ・ベースの解析作業を本格化し,「試論」を順次まとめて公刊し,研究成果の蓄積を目指していく。また国内・外の図書館,資料館でのデータ検索・収集の補充も続ける。
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