金融不安定性を引き起こす代表的な金融要因である資産選択行動の特徴を、理論的側面についてサーベイした後、米国についての実証分析をまず行った。危険資産への投資には安全資産に比してリスク・プレミアムを請求するが、それは家計の絶対的あるいは相対的危険回避度の推移に大きく影響を受ける。米国における実証分析ではこの危険回避度が構造的に大きく変化していることが確認された。さらにCAPM(capitrl asset pucing model)によってβ値を推定したところ、決っして一定ではなく、2〜3年毎に有意に変化していることが観察され、効用関数そのものの変化+家計のリスクに対する許容度が大きく変化している背景を諾誌することができたものと思われる。 また経済には不安定が生じている場合、何らかの金融政策が採用され百効的に機能しなければならない。この政策決定プロセスを中央銀行の政府からの独立性という観点からイギリスについて研究し、日本のそれと比較検討した。政策決定の誘明性を図るためにもアカウンタビリティの追求が不可欠であることが強調される。
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