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1998 年度 実績報告書

臨海レベルの共形場理論と可積分系

研究課題

研究課題/領域番号 09740009
研究機関東京大学

研究代表者

武部 尚志  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助手 (60240727)

キーワード変数分離 / 楕円型Gaudin模型 / KZB方程式 / Wakimoto加群 / 積分解
研究概要

本年度は、次の二つの方向で進展があった。
・ 統計力学における可解格子模型の一種であるXYZ模型の準古典極限として定義される楕円型Gaudin模型についてそのSklyaninの意味での変数分離を試みた。この模型は、昨年度の本研究によって、ある種の共形場理論(twisted WZW model)の臨界レベルとして理解される事が分かっている。XYZ模型の古典力学系としての変数分離はSklyaninによってなされているが、この時に使われたtransfer matrixのgauge変換を楕円型Gaudin模型に対しても適用して、古典力学系としての変数分離ができた。論文は投稿中である。これを量子化するのが次の問題である。これについては現時点では不完全な結果しか得られていないが、1 siteの模型についてはHamiltonianのスペクトルを完全に解析した。
・ Wakimoto加群を使ったKZB方程式の積分解の構成ができた。これは、基本的にはaffine Lie代数のWakimoto加群の上である種の線形作用素のトレースを取る事によって計算される。ここでscreening current Ward identityというテクニックを使ったのがポイントである。これは、種数0の場合、粟田-土屋-山田により、KZ方程式の解を積分表示する時に用いられた手法を種数1の場合に拡張したものである。この結果により、FelderとVarchenkoが発見した積分解(彼らは証明の詳細を未だ発表していない)が、自由場表示の立場から構成された事になる。論文は現在投稿中である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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