3次元マークリッド空間内の極小曲面で、線織面であるものは、平面かまたは常らせん面であることは、よく知られている。その一つの一般化として、球面内の大円の2-パラメーター族からなる、3次元極小部分多様体Mと、自然に対応する複素2次曲面内の実2次元曲面Σとの関連を調べ、特にΣが複素1次元の正則曲面の場合には、Mが極小部分多様体になるための必要十分条件は、Σが「1次等方的」であることを示した。さらに、MとΣの曲率の関係についても詳しく調べた。 次に、定曲率空間や複素射影空間内の超曲面について、その測地線を外から見た挙動によって、等径超曲面や等質実超曲面の特徴付けを与えた。これは、島根大学の前田定廣氏、名古屋工業大学の足立俊明氏、韓国慶北大学Ki教授達との共同研究による。これからは、もっと、余次元の高い場合や、外の空間が他の一般の対称空間の場合、さらに測地線を外から見た曲線が、測地線や円ばかりではなく、もっと一般の曲線の場合についても、考えていきたい。さらに、線識面の一般化についても、外の空間を一般の対称空間にして、山口大学の内藤博夫氏によるグラスマン幾何との関連についても見ていく。そして、双曲空間内の測地線によって、faliateされた部分多様体と、その無限の漸近境界の共形幾何的性質の関連を調べ、球面内の部分多様体の共形幾何的性質の研究に役立てたい。
|