(1) 研究目的の一つとしてあげていた問題に対して肯定的に解決することができた。即ち、1∈A⊆Bの単位元を共有するC^*-環のペアを考え、BからAへのC^*-指数有限型の条件付き期待値が存在するとする。もし、Aが単純でかつ安定階数1を持つならば、Bも安定階数1をもつ。これは、88年にBlackadar氏がだした問題の拡張版への肯定的解答となっている。(彼の問題は、AがAF-環のとき、それと有限群からなる接合積が再び安定階数1をもつか) 系として、単純AF-環、あるいは、よりひろいクラスである単純な実階数0をもつAT-環と有限群からなる接合積の実階数が1以下であることが示される。Elliott氏が、UHF-環上の周期2である自己同型写像で、それから生成される接合積が実階数1を持つものを構成しているので、この評価式はベストであることがわかる。 (2) また、上の突破口となったSP-性の遺伝に関しても結果を得ることができた。即ち。1∈A⊆Bの単位元を共有するC^*-環のペアを考え、BからAへのC^*-指数有限型の条件付き期待値が存在するとする。もし、Aが単純でかつSP-性を持つならば、BもSP-性をもつ。応用として、Aが可分な純粋無限単純C^*-環であるとき、Bが純粋無限単純C^*-環の有限個の直和として表せることがわかる。これは、泉氏の主張の別証明を与えている。
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