研究概要 |
主に複素平面上での2階の線形方程式の解の振動について調べました。Bank-Laine予想の周辺にある問題としての係数整函数の振動と解との関連、有理型函数係数の場合の解の性質をRiccati方程式の性質を用いて考察しました。また、複素平面上での函数方程式と微分方程式の有理型解について研究しました。特に、代数的な微分方程式を満たさない性質(Hypertranscendency)をもつ函数方程式の解についてその存在と、値分布論的性質を調べました。具体的に得られた結果の一つを述べることにします。 定理:s,1<|s|は複素数定数a(z),b(z)を有理型関数とするとき、関数方程式 (1)f(sz)=a(z)f(z)+b(z) は、条件 a(0)≠s^j,j=1,2,..., の基に大域的な解を持つ。また、(1)の超越的な解はどんな代数的な微分方程式も満たさない。
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