• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

2次過程の表現論への解析学の応用

研究課題

研究課題/領域番号 09740138
研究機関電気通信大学

研究代表者

川崎 秀二  電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (10282922)

キーワード2次確率過程論 / 直交ランダム測度 / Karhunen表現 / Fourier解析 / 事変システム・変係数の方程式 / 発展方程式 / 実解析・関数解析的手法 / Littlewood-Paley理論・wavelet解析
研究概要

本年度は,wavelet表現されるKarhunen過程に対する直交ランダム測度の反転公式に関する考察と,時間依存型発展方程式により記述されるKarhunen過程の定式化の導入部分に関する考察とを行った.
前者については,これは弱定常過程におけるLevyの反転公式に対応するものであり,wavelet表現による2次過程の種々の問題の定式化を確立する上で基礎付けとして重要である.内容的には,関数fのwavelet変換Wf(a,b)が2変数関数であり,(a,b)-domainで不確定性原理によりindicator関数を作ることができないため,X(t)に対する時間軸上の作用としてどのようにindicator関数を近似するかがポイントであった.筆者は,diadic wavelet表現に対し,wavelet変換のFourier変換型表現とindicator関数のFourier変換に着目し,緩い制約の下でa-方向のカットオフ,b-方向でのindicator関数の近似をするという方法で実際に反転公式を得た.反転公式の証明の際に現われる積分の有限性の評価が困難であった.
後者については,これは弱定常過程がユニタリ半群により,正規過程が正規半群によりそれぞれ定式化されるのに対し,非定常Karhunen過程の系統的な定式化手法として,それらのさらなる一般化である時間依存型の発展方程式により与えられるものを考察するものであり,これが完成すれば当該分野への貢献は少なくないと考えられる.現在のところまで,時間方向に対してはCauchyno有限折れ線近似をしたものに対し各時点で同一のスペクトル関数がスペクトル領域で掛け算されることにより与えられるクラスと無限分解可能過程との関係が密接であること,そのようなクラスに対しては確率過程から線形的に生成される確率変数のL^2-空間に対するシフト作用素のL^2-有界性が言えることがわかっている.今後,より一般のクラスに対してL^2-有界性をどうやって示すか,各時点で生成作用素A(t)が自己共役とする時に対応する各時点での単位の分解に対するどのような仮定が自然・妥当であるかが問題の焦点である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shuji Kawasaki: "Weak-Stationarity Conditions for Wavelet Processes" J.Franklin Inst.Eng.Appl.Math.335. (1998)

  • [文献書誌] Shuji Kawasaki: "Weak-Stationarity Conditions for Wavelet Processes" J.Franklin Inst.Eng.Appl.Math.335. (1998)論文誌名.

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi