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1997 年度 実績報告書

天文衛星を用いた超新星残骸の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740167
研究機関岩手大学

研究代表者

山内 茂雄  岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (60260410)

キーワードX線 / X線スペクトル / 我々の銀河系 / 超新星残骸 / 高温プラズマガス
研究概要

本年度は、あすか衛星による観測で得られた超新星残骸のデータの解析を行った。
ROSAT衛星が発見したG156.2+5.7の観測データの解析から、この超新星残骸には400万度程の高温ガスからの軟X線放射以外に少なくとも10keVのエネルギー領域まで延びる、硬X線成分が存在することがわかった。この硬X線成分について、高温ガス起源、高エネルギー電子からのシンクロトロン放射起源の2つの可能性を検討した。
私達が進めているあすか衛星を用いた銀河面サーベイ観測で、多数の超新星残骸からのX線放射を検出することができた。このうちでX線強度の強いものについて、X線スペクトルの特徴を調べた。G347.5-0.5では、明確なシェル構造が検出できたが、このシェル部分には輝線が見られず、非熱的放射であることがわかった。これは高エネルギー電子からのシンクロトロン放射と考えられ、超新星残骸の衝撃波面で粒子加速が行われている可能性を示唆するものである。このような超新星残骸は、SN1006につづき2番目の発見である。また、G344.7-0.1,G349.7+0.2,G15.9+0.2からは硅素や硫黄からの輝線がはっきりと検出でき、超新星爆発の際に生じた衝撃波によって加熱され生成された、高温ガスからの放射が卓越していることを観測的に明らかにした。観測から得られた高温ガスの温度は、700万度から1000万度程度であった。こうして得られたガスの温度、超新星残骸のサイズ、X線光度などを用いて、超新星残骸までの距離や超新星が生じてからの経過年数を推定することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Koyama: "Discovery of Non-Thermal X-Rays from the Northwest Shell of the New SNR RX J1713.7-3946:The Second SN1006?" Publ.Astron.Soc.Japan. 49. L7-L11 (1997)

  • [文献書誌] M.Sugizaki: "Discovery of an 11-s X-Ray Pulsar in the Galactic-Plane Section of the Scorpius Constellation" Publ.Astron.Soc.Japan. 49. L25-L30 (1997)

  • [文献書誌] H.Kaneda: "Complex Spectra of the Galactic Ridge X-Rays Observed with ASCA" Astrophys.J.491. 638-652 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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