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1997 年度 実績報告書

イオンビームスパッタ法による広帯域ミラーおよび超低損失ミラーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09740178
研究機関国立天文台

研究代表者

大橋 正健  国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (80213833)

キーワード光学薄膜 / コーティング / イオンビームスパッタリング
研究概要

天文台で稼動中のイオンビームスパッタ装置により、Si02,Al205,Ti02,Ta205の単層膜を製作し、その分光特性と膜厚を測定した。膜厚は触針式と光学式を併用し、ほぼ一定した膜厚を得ることができた。次に、この膜厚測定値と分光特性から屈折率分散を導出した。この屈折率分散は、光学薄膜を設計する上で最も大事なパラメータである。屈折率は、成膜プロセスの条件によっても変化するので、これについても調査した。
方法は、エリプソメータによる測定である。結果について簡単にまとめると、プロセス中の酸素流量が十分高い場合は、安定した屈折率の膜を生成でき、これはスパッタされるターゲットと基板の距離によっても変化することが分かった。複素屈折率の虚数部分、つまり薄膜の吸収については、値が小さすぎて測定不能であった。これは、イオンビームスパッタ膜が非常に低損失であることの証拠であり、歓迎すべき結果である。
分光エリプソメータでは、薄膜の吸収についての測定ができなかったので、これを多層膜ミラーを製作することによって測定することにした。製作したのは、Ta205/Si02の30層ミラーで、設計反射率が99.99%である。このミラーの反射率を測定すれば、その設計値からの誤差で、吸収を評価することができる。しかし、通常の方法では設計値と実測値を直接比べることができない。そこで、設計反射率の新しい測定法を考案した。これはミラーの透過率の角度依存性を測定して、理論式にフィットすることで設計反射率(損失が無い場合の反射率)を得る方法である。以上の準備の下で、広帯域反射防止膜の設計と製作を行った。まず、市販の薄膜設計ソフトにより400〜800nmで反射率1%以下の薄膜を設計した。これを実際に成膜し、その反射率を測定した。その結果、全帯域で0.7%以下の反射率になっていることが確認できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinji MIYOKI, Shuichi SATO, Masatake OHASHI, Masa-Katsu FUJIMOTO: "Technique to Estimate the Reflectance of a High-Reflectance Dielectric Multilayer Coaing Mirror Using Incident Beam Angular Dependence of Its Transmittance" OPTICAL REVIEW. Vol.5,No.1. 17-20 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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