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1997 年度 実績報告書

カイラルなゲージ理論の正則化とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 09740187
研究機関茨城大学

研究代表者

鈴木 博  茨城大学, 理学部, 助手 (90250977)

キーワードゲージ理論 / 正則化 / アノーマリ-
研究概要

カイラルなゲージ相互作用をすくフェルミオンを含む(4次元の)理論のゲージ共変な正則化の定式およびその応用がこの研究の目的である.この研究目標に対して,当年度はまず,FrolovとSlavnovによってSO(10)のスピノール表現に属するカイラルフェルミオンに対して提案された,一般化されたPauli-Villars正則化を任意のゲージ群の表現に拡張する研究を行った.この研究の成果として,彼らのアイデアは一般のゲージアノマリーを持たないゲージ表現に対して適応できることが明らかとなった.さらに我々は,フェルミオンの表現が時(擬)実表現の場合には一般化されたPauli-Villars正則化は特に簡単な構造を持ち,いわゆる共変正則化を直接実現していることを示した.ここで共変正則化とは,藤川らによって(連続理論の枠内で)カイラルなフェルミオンに対して提案されているゲージ不変性を最大限に保つ正則化である.上の研究で得られた共変正則化に対する知見を元に,我々は従来困難な問題となっている格子理論でのカイラルフェルミオンの一つの定式化を提案した.我々の定式化はゲージ表現が実表現の場合には非常によい性質を持っていることが示された.一方,複素ゲージ表現に対しては格子上のカイラルなフェルミオンの困難を完全に解決することはできなかったが,従来この問題に対して行われた提案と同程度の性質を達成することはできたと考えている.さらに共変正則化の考えに基づいて,摂動論の枠内ではあるが,超対称なカイラルゲージ理論の明白に超対称でゲージ共変な正則化の定式化にごく最近成功した.この問題も長年,簡明な定式化がなされていなかったものである.この定式化の応用として特筆すべきものは,最近Shifmanらによって提唱されているN=1超対称性代数のアノマラスな中心拡大の第一原理からの導出である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kazunobu Haga: "Remark on Pauli-Villars Lagrangian on the Lattice" Physical Review. D55. 5325-5330 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Suzuki: "Manifestly Gause Covariant Treatinent of Lattice Chiral Fermion" Physical Review. D55. 2994-2997 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Suzuki: "Observing Ouantum Tunneling in Perturfation Series" Physics Letters. B400. 341-345 (1997)

  • [文献書誌] Kiyoshi Okuyama: "Ganse Invariant Pauli-Villars Regularization of Chiral Fermions" Progress of thearetical Physics. 98. 463-484 (1997)

  • [文献書誌] Kazuo Fujikawa: "Duality in Potential Crossing : Application to Quantum Coherence" Physical Review. A56. 3436-3445 (1997)

  • [文献書誌] Kiyoshi Okuyama: "Manifestly Gauge Covariant Treatment of Lattice Chiral Fenomenons" Physical Review. D56. 6829-6834 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Suzuki: "Quantum Bubble Nucleation beyond WKB : Resummation of Vacuum Bubble Diagrams" Physical Review. D57. 2500-2506 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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