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本研究はインフレーション宇宙後の再加熱時の様子を様子を時空構造(重力)まで含めた立場から理解しようとするものである。本年度は再加熱のもっとも簡単なモデルである一様等方宇宙の上で非線形相互作用する2つのスカラー場(インフラトン場と輻射場)の系に対して、宇宙論的ゲージ不変形式に基づく線形摂動の解析を行った。基礎方程式は2つのゲージ不変量に対する時間に関して2階の連立微分方程式となる。
最初に宇宙論的に興味のある長波長極限の解のみに着目することで、ゲージ不変量の厳密解を構成した。この解はバックグランドの解のみを用いて表現されており、その振る舞いを繰り込み群を用いた近似的方法、および数値計算により解析することで再加熱時におけるゲージ不変量の振る舞いを定性的、定量的に把握することに成功した。その結果として以下の事が明かとなった。
1)再加熱時におけるパラメーター共鳴の効果により、重力場の揺らぎとして非断熱的揺らぎが新しく生成される。したがってインフレーション時における断熱揺らぎのみならず、再加熱時の非断熱揺らぎの進化が、宇宙の大規模構造形成に大きく影響を与える。
2)現在の宇宙背景輻射の揺らぎの観測結果を用いることにより、再加熱時における2つの場の相互作用の大きさが強く制限を受ける。つまり再加熱のモデル設定に対する制限を加える事ができる。
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