1.現実的な模型に適用できるN=1の双対性を、より良く理解されてはいるが、現実的な模型には適用できないN=2の双対性から導くという仕事を行いました。その過程において理解できる特性を用いて、超対称性標準模型でN=1の双対性が現れる可能性についての研究を継続して行っていきます。 2.従来のgauge mediated SUSY breaking modelにおいては、messenger fieldとしてvector-likeなchiral multipletを用いていますが、massive vector multipletを用いても超対称性の破れをmediateすることができます。massive vector multipletを用いて現実的な模型を作る試みをしています。面白い特徴としましては、massive vector multipletを用いると超対称性を破ると同時に大統一理論のゲージ群を破るような模型が出来る可能性があるということです。この仕事に関しては、近く、まとめるつもりです。 3.超対称性の破れとフォルミオンの質量の構造を異常U(1)ゲージ理論を用いることによって理解するという方向がありますが、その方向で、果たして満足の行く模型がつくれるのかどうか、ということについて吟味しました。特に、最近、Suparkamiokandeにおいて、ニュートリノに質量が存在していることが示唆されていますが、その結果を説明できるようなニュートリノの質量行列は得られるかどうか、についても議論しました。そのために必要となる中間スケールと電弱スケールが同時に理解できるような力学的模型を考察しました。
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