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1997 年度 実績報告書

重い原子核に深く束縛されたパイ中間子原子の構造と生成

研究課題

研究課題/領域番号 09740202
研究機関奈良女子大学

研究代表者

比連崎 悟  奈良女子大学, 理学部, 助手 (60283925)

キーワードパイ中間子原子
研究概要

昨年度ドイツGSI研究所において深く束縛されたパイ中間子原子が発見された。それを受けて今年度行われた研究の概要は以下の通りである。
(1)異なる標的核を使った場合の理論的研究。
以前使われた鉛208と異なる鉛のアイソトープ、鉛206を標的核として使用うすれば現在のデータではっきりと見ることが難しい最も深く束縛されたパイ中間子原子の1s状態が見えることを理論的に予言した。
(2)パイ中間子原子に対する原子核変形の効果
変形した原子核にパイ中間子原子を生成することによって、現在不明なパイ中間子-原子核相互作用の詳細な部分が観測出来るかのうせいがある。この点について理論的研究が進行中である。結果が出つつある。
(3)パイ中間子-中性子空孔残留相互作用の効果
我々の提案した(d,3He)によって生成されたパイ中間子原子は鉛207の回りに束縛されており、原子核の状態としては1空孔状態と成っている。この1粒子(パイ中間子)-1空孔(中性子)状態の間の相互作用を考えて束縛エネルギー等に対する効果を理論的に評価している。
以上の研究をふまえることにより、深く束縛されたパイ中間子原子観測を通じて原子核表面の情報や、パイ中間子-原子核間相互作用の詳細な知識が得られるようになる。
最後に、同じ(d,3He)反応を利用してパイ中間子以外の異なる中間子を原子核内に生成することも理論的に研究され初めていることを付け加えておく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 野瀬-外川 直子: "Nuclear Quadrupole Effects in Deeply Bound Pionic Atoms" Nuclear Physres. A623. 548-558 (1997)

  • [文献書誌] 比連崎 悟: "Formatron of Deeply Bound 1s pionie states in the ^<206>Pb (Cl,^3He)" Physical Revien. C55. 2719-2722 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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