量子色力学において、複合粒子の質量が温度や密度等の環境によって変化する可能性は複数の研究者(当該研究代表者含む)によって議論されてきた。これは近い将来実現が期待されるクオーク・グル-オン・プラズマという新しい相に対する実験におけるシグナルに直接関係するという意味でも重要な可能性である。 当該研究はこの可能性に対し、従来までの“モデルによる計算"ではなく第一原理からの直接計算を世界に先がけて行おうとするものである。 平成9年度はほぼ計画通り、全体計画の半分の所まで行ってきた。つまり、大規模計算への準備としての予備計算、及び、超並列計算プログラムの開発である。途中経過は国際会議で発表し、今後の方向づけに対する情報も整っている。
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