ゲージ場の自己相互作用に関して、″標準モデルを超える理論″のもつ対称性、あるいはその破れに関する情報を担うパラメータの導入を試みるため、本年度は以下の研究を行った。 1 超対称性を持つ模型について、昨年度の研究で得られた質量殻上のWポソンを対生成する過程に関する形状因子の評価をおこなった。 2 電子・光子衝突型線形加速器におけるゲージ場の3点相互作用の輻射補正の観測可能性について考察した。 この過程では、電子・陽電子衝突型加速器におけるWボソン対生成過程と異なり、Wボソンが質量殻上に無い場合の輻射補正がt-channelに現われる。また、光子の関する効果だけを取り出せるという利点がある。 3 Wボソンが質量殻上に無い場合について、1.と同様の評価をおこなった。 この場合、Wボソンが質量殻上の過程では現れない寄与がCPを破る形状因子に存在する。 4 3.の結果を2.の散乱過程に適用することによって、散乱振幅の評価をおこなっている。 この計算には、本年度の補助金で購入した数式処理ソフトを利用している。 結果は、間もなく論文として発表する予定である。 5 光子・光子衝突型線形加速器におけるゲージ場の自己相互作用の輻射補正について考察している。この場合、ゲージ場の4点相互作用が直接観測可能である。 まだ結果は出ていないため、この試みは来年度に継続する予定である。
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