1。エアロゲルの製作 ファイバー化するにあたって、最も重要な点は、細い形状をした所定の屈折率をもったエアロゲルが製作可能であるかを実証し、さらに、製作されたゲルが、実機の使用に耐えうる程度に透明であるかを示すことである。 まずゲルの調合については、ゲルを調合するときの化学薬品、特に蒸留水と触媒であるアンモニアの分量に特に注意を払い、屈折率1.01^〜1.05程度まで製作可能であることが判明した。超臨界乾燥後までゲルの形状が保存されているかどうかについて今後の研究課題であるが、これまでの経験では、1.03以上の屈折率については問題ないとの感触を得ている。ただし、透明度については、他の実験で使用しているゲルと同程度のものができるが、さらに調合比率について研究をかさね、向上をはかりたいと考えている。 2。カウンターシステムの設計 チェレンコフ検出器の設計としては、現在光検出器として用いる光電子増倍管の選定を行っているところである。また、ライトガイド等を含めた集光系のデザインは、モンテカルロ法を用いたチェレンコフ光伝搬及び吸収のシミュレーションを行い、形状を決定する。これまでの成果としては、ライトガイド部における反射剤の反射率が、集光効率向上に非常に重要な因子であることが判明した。これらをもとに、設計及び反射剤等の選定を今後行う。検出器のモニターシステム、特に光電子増倍管の増幅率の変動をチェックするためのデバイスについて検討をすすめ、LEDライトソースを使用について、その温度及び長期安定性等の検討を行い、実機にて適応できることを確認した。
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