• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

半導体ナノ構造中の電子正孔ガスに対するドーパントイオン分布の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740254
研究機関理化学研究所

研究代表者

野村 晋太郎  理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (90271527)

キーワード半導体ナノ構造 / 電子正孔ガス / ドーパント
研究概要

(1) p型変調ドープ量子細線試料の強磁場下発光スペクトルの測定により、電子正孔間遷移の磁場依存性が非ドープ量子細線より非常に大きいことがわかった。自己無撞着ハートレー計算との比較により、観測された磁場下での大きなエネルギーシフトは、ドーパントイオンにより正孔ガスの分布が空間的に非対称になることにより、電子-正孔間光遷移が間接遷移になることに起因することを示した。量子細線構造をはじめとするナノメートル構造試料においては、従来、単一へテロ構造で考えられたようにドーパントイオンを一様なものとして近似するのは不十分で、ドーパントイオンを離散的なものとして扱うことが必要であることを実際に示した。
(2) 間隔250nmの網状金属電極構造を電子ビームリソグラフィーによりn型変調ドープ量子井戸試料表面上に作製した。この表面網状金属電極と伝導性の裏面電極との間にバイアス電圧を印加することにより、電子ガスと局所的ドーパントイオンの分布の制御を試みた。バイアス電圧を印加するに伴い、発光スペクトルのフエルミ面近傍に量子ドットが結合状態にある際にこぶ状構造が現れるのを観測した。この構造は電子ガス-正孔間相互作用が外部ポテンシャルにより変調される効果によるものと考えられる。また、バンド端より9meV低いエネルギーに緩くポテンシャルに捕縛された状態からの発光を観測し、その発光強度がバイアス電圧に極めて強く依存することを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Nomura: "High-magnetic-field-induced large blueshift and depopulation of a quasi-one-dimensional electron-hole system in p-type modulation-doped semiconductor quantum wires" Physical Review B. 57・4. 2407-2414 (1998)

  • [文献書誌] S.Nomura: "Enhancement of photoluminescence near Fermi level in bias voltage controlled quantum dot arrays" Solid State Communications. 106・12. 815-819 (1998)

  • [文献書誌] B.Kowalski: "Magnetoluminescence of self-assembled InP dots with varying size" Physical Review B. 58・4. 2026-2030 (1998)

  • [文献書誌] S.Nomura: "Calculation of Landau levels in semiconductor quantum dots in a high magnetic field and at a high optical excitation" Physical Review B. 58-11. 6744-6747 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi