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1998 年度 実績報告書

強電子相関物質の核磁性

研究課題

研究課題/領域番号 09740275
研究機関金沢大学

研究代表者

阿部 聡  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60251914)

キーワード強電子相関 / 超低温 / 交流帯磁率
研究概要

本研究では、強電子相関物質であるCeRu_2Si_2のマイクロケルビン領域での磁気的性質を解明するため、複素交流帯磁率測定装置を製作し、静磁化の交流帯磁率の同時測定を行った。
複素交流帯磁率測定装置として、SQUID(磁束量子干渉計)を零点検出器として用いた交流インピーダンスブリッジを製作した。これにより複素相互インダクタンスを1pH(10^<-12>H)まで精密測定し、試料であるCeRu_2Si_2の交流帯磁率を静磁化と同時に測定することが可能になった。また交流帯磁率の測定周波数を12〜200Hzの範囲で変化させ交流磁場に対する磁気応答を測定できるようにした。
磁場中での測定のため、試料には超電導コイルにより0〜8mTの磁場を印加できるようにした。外部磁場による擾乱を防ぐためニオブの超電導磁気シールドと、完全なゼロ磁場を実現するため高透磁率のμメタルとの2重磁気シールドを施した。冷却は前年度までに製作した160モルの大型核断熱冷却装置を用い、最低温度200μK、1mK以下の温度に20日以上保持できるようにした。
これらにより、CeRu_2Si_2の静磁化および交流帯磁率を温度範囲4.2k〜200μK、磁場範囲0〜8mT、周波数範囲12〜200Hzで測定した。これまでのところ、ゼロ磁場中では200mKまで磁気的秩序状態への転移に伴う帯磁率の変化は観測されておらず常磁性的な性質を持つことを明らかにした。また帯磁率の磁場依存性、交流帯磁率の周波数依存性については現在測定中であり、今後これらよりCeRu_2Si_2のマイクロケルビン領域での磁気的性質について新たな知見が得られると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Abe: "“Magnetization Measurements of CeRu_2Si_2 at Millikelvin Temperatures"" J.Low.Temp.Phys.113. 1061-1066 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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