今回の研究では、砂丘の複雑な動力学を再現する簡単な数値模型を構成し、これを使用して、砂丘の生成過程の数値実験を行った。とくに、砂丘の形状の生成条件について、風向きの定常性、系内での砂の量を制御変数として変えながら、計算機の中で砂丘を生成し、現実系の観測報告との一致を見た。 本模型は非常に単純な模型であるが、それゆえ、砂丘同志が相互に絡み合った時間発展など、従来は行われてこなかった砂丘の複雑な動力学についての議論を可能にするものと思われる。同時に、比較的単純な非線形模型として、砂丘の動力学に関する数理的な方向からの議論にも道を開くものと思われる。 また、本研究のもうひとつのテーマである砂の静力学的については、本年度は関連文献を調査および評価し、本研究2年目に具体的モデルを構築するための基盤を築いた。
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