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1997 年度 実績報告書

エイジング関係式から見たスピングラスのダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740309
研究機関東京工業大学

研究代表者

尾関 之康  東京工業大学, 理学部, 助手 (70214137)

キーワードスピングラス / ダイナミクス / エイジング / ゲージ変換 / 多重臨界点 / 履歴現象 / 非平衡緩和
研究概要

エイジング関係式を利用して、主に動的クロスオーバー領域の解析を行った。
常磁性相、強磁性相、スピングラス相が会合する多重臨界点での動的性質を導出し、動的臨界現象の大域的な変遷を理解することに成功した。残留磁化m(t)は強磁性相では秩序変数に収束し、平衡自己相関関数q(t)はスピングラス相で秩序変数に収束する。両者の緩和指数λ_mとλ_qは、強磁性臨界点ではλ_q=2λ_mの関係にあるが、多重臨界点でλ_q=λ_mと変化することが明らかになった。また、多重臨界点では、強磁性秩序とスピングラス秩序の弱臨界指数(動的指数を含む)が一致する事も示された。これらは動的臨界現象の普遍性の変化であり、今後の研究の端緒となることが期待される。エイジング関係式によって、動的相関関数のシミュレーションが容易になった。そこで、二次元及び三次元のIsing模型について、多重臨界点における動的臨界指数を非平衡緩和法を利用したモンテカルロシミュレーションによって計算した。この方法は、秩序化した状態からの秩序変数の非平衡緩和を数値的にシミュレートする方法で、統計平均はMCステップを重ねて行うのではなく独立にサンプリングする。このため、系の平衡化から解放されるのでメモリーが許す最大の格子サイズで計算できる、MCステップは動的性質が判る程度の小ステップで十分、各サンプルは独立なの臨界点でもサンプルは少なくて済む、等の利点があり、高精度な結果を能率良く実現することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yukiyasu Ozeki: "The aging relation for Ising spin glasses" Journal of Physics : Condensed Matter. 9. 11171-11177 (1997)

  • [文献書誌] Yukiyasu Ozeki: "Symmetry in the phase diagram of the site-random Ising spin glass model in two dimensions" Journal of the Physical Society of Japan. 66. 1165-1174 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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