第一の研究成果は、任意のポテンシャル中の相互作用しない電子の線形応答関数を、実時間実空間差分化したシュレーデインガー方程式の数値解を利用して、基底の数Nに比例する(O(N))の計算量で計算するアルゴリズムを開発したことである。このアルゴリズムは、O(N^3)の計算量を必要とする行列対角化の方法に比べて、はるかに大きな系の線形応答関数を効率的に求めることができる。また、最近提案された他のO(N)アルゴリズムと比較しても1桁以上大きな系の計算が可能である。第二の研究成果は、このアルゴリズムを非線形応答関数に拡張し、シリコンナノ結晶の二光子吸収スペクトルの計算に応用したことである。これにより、各種非戦形光応答の大規模数値計算が初めて可能になった。
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