モードロックチタンサファイアレーザーのフェムト秒パルス(80fs)を用い、BBO結晶中での和周波発生光ゲート法による時間分解蛍光分光システムを構築した。可変光学遅延器及びフォトンカウンティング検出はコンピューターから制御できるようにした。試料励起用パルス(チタンサファイアレーザーの2倍波)の装置応答関数の半値全幅は約200fsであった。高密度励起で色素分子が破壊されるため試料を移動しながら測定を行うが、試料の不均一性に起因した蛍光強度の揺らぎのため信号のS/Nが下がる。このとき、同時に定常的な蛍光強度測定を行い補正することにより上記S/Nの低下を除くことが可能となった。 現在、試料を紫外光の強いフェムト秒パルスで励起したり、増幅ゲート法となる差周波発生法による時間分解蛍光分光法を行うために、上記フェムト秒レーザーをシード光にしたkHz再生増幅システムの上記分光システムへの導入を進めている。
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