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1997 年度 実績報告書

宇宙からの火山学:雲仙火山1991-1994年噴火に伴う噴気活動のモニター

研究課題

研究課題/領域番号 09740351
研究機関東京大学

研究代表者

金子 隆之  東京大学, 地震研究所, 助手 (90221887)

キーワード火山 / 噴気 / リモートセンシング / 熱観測
研究概要

ランドサット5号によって1991年10月から1992年11月の間に撮影された8シーンのTM夜間画像用いて,雲仙phase1の噴気活動の熱観測を行った.この間,噴気活動と溶岩の湧き出しが数100メートル離れた場所で起きていたため,溶岩湧き出し域からの影響を受けることなく,噴気域の熱観測を行うことができた.ランドサットTMデータにより,噴霧域から放出される熱輝度の総計を求め,これと地上観測および空中写真観察に基づいて求められているマグマ供給率と比較した.この結果,噴気域からの熱輝度の時間変化は単調減少傾向を示し,マグマ供給率と似た時間変化パターンを示すことがわかった.両者の間の相関計数は0.8と比較的高い正の相関関数が認められた.雲仙では噴霧活動の間,放出されているガスの温度は変化していないと考えられていることから,噴気域からの熱輝度は噴気として放出されるガスの量を反映していると考えられる.また,火山ガスの組成の検討から,ガスは基本的に噴火に関与しているマグマからもたらされていたことが明らかになっている.これらの事実は,供給されたマグマに見合った分だけ,そこからガスが放出されるという状況が続いていたことを示す.すなわち,ガスはマグマ内部あるいは山体の一部に蓄積されることなく効率的に放出されていた-脱ガスの効率が高かった-と考えられる。これは,この間,雲仙では爆発的な噴火が起きていないという事実とも調和的である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Kaneko and M.Wooster: "Infrared image analysis of the Unzen 1991-1994 activity using ERS ATSR and Landsat TM data" Proceedings of the Unzen International Workshop. 33-36 (1997)

  • [文献書誌] M.Wooster and T.Kaneko: "Satellite thermal analyses of lava dome effusion rates at Unzen volcano, Japan" Journal of Geophysical Research. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] M.Wooster, D.Rothery and T.Kaneko: "Geometric considerations for the remote monitoring of volcanoes : studies of lava domes using ATSR and the implications for MODIS" Internal Journal of Remote Sensing. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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