研究概要 |
本研究は、これまでの四国地方における地殻比抵抗構造研究の総括として、四国地方外帯を特徴づける低比抵抗領域の存在形態を明確にするとともに、その成因を考察することを目的とし、そのために(1)これまで未調査地域である四国地方西部地域において広帯域MT調査を行うとともに、(2)比抵抗境界と構造線の関係が特に着目される中央構造線周辺で精密構造探査を行い、さらに(3)既存のデータに対しても再解析を行うことで、より精度の高い2次元構造解析を行うことを3本の柱とした.(1)に関して、四国地方西南部の山間部を除いて、合計10地点で観測を行った.その結果、特にデータの質の高い外帯下の2次元構造解析から、上部地殻内に数ohm-m程度の比抵抗値を持つ低比抵抗層が存在することを確認し,同時に下部地殻の比抵抗値の下限およびプレート上面深度およびプレートの比抵抗値の下限に関する知見を得た.(2)に関して、自然の電磁場を用いて広帯域のMT測定を行い、far remoter eference法によるノイズ処理を行ったが、誤差の少ない探査曲線を得ることはできなかった.ただし、夜間の短い時間帯ではあるが、時系列上での磁場・電場の対応が見られるデータを取得したので、他のノイズ処理を施すことにより探査曲線が改善される可能性は高い.(3)に関しては、東部15地点・中央部15地点・西部10地点のMTあるいはGDSデータの再解析を始めたところである.その予察的な結果によると、四国地方の地殻比抵抗構造の最大の特徴は、「内帯・外帯の地質構造区分にほぼ対応するように、内帯ではみられない低比抵抗領域が、外帯では上部地殻内に一様に存在し、その比抵抗境界(中央構造線)は地殻深部にまでおよぶこと」であることが再確認されつつある.このことは同地方東部でのネットワークMT法観測のデータとも整合的であり、今後、両者の統合解析が求められる.
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