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1998 年度 実績報告書

メルト・水溶液・固相間でのゲルマニウムの分配に関する実験的・理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740393
研究機関東京大学

研究代表者

岩森 光  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80221795)

キーワードゲルマニウム / 分配 / 溶融実験 / カンラン石 / メルト / エンスタタイト
研究概要

本研究の目的は、地球を構成する主成分である珪素と化学的な挙動が類似し、珪酸塩の四面体の構造の中に入ると予想されるゲルマニウムの挙動、特に固体と液体の間での分配を調べ、地球内部での物質分化過程にたいして新しい知見を得ることを目的とする。ゲルマニウムは珪素と挙動が似ると同時に、微量元素として解析が行いやすい元素であると考えられることが利点の一つである。
2年計画の最終年度に当たる本年は、初年度における1気圧下でのSiO2-MgO(プラスGeO2)系での実験結果を受け、高圧下(7GPa)での融解実験を行って、元素の挙動に対する圧力効果を調べた。実験は名古屋大学理学部のマルチアンビル型高圧発生装置を用いて行った。酸化物の試薬を乾燥(400度、24時間)後に機械的(シリカミル)で十分に混合し、出発物質とした。また、実験後の生成物はEPMAによって分析を行った。その結果、7GPaではforsterite/melt(D fo-m GeO2)は0.35±0.15と1気圧下での0.51±0.08よりも低い値を示すことが分かった。また、7GPa下ではenstatite/melt(D en-m GeO2)は0.56±0.29となることが分かった。これらの結果を既存の熱力学パラメターと合わせて解析を行ったところ、反応の体積変化は7GPaまでの範囲で大きくは変化しないらしいことが分かってきた。しかし、パラメターの中には不確定なもの(メルトの圧縮率など)があり、現在はこれらを逆に実験結果から制約すべく解析を継続しているところである。また、これらの実験的な研究に加え、地球内部特に沈み込み帯におけるメルトと水溶液の挙動を解析するために数値モデルを開発して数値実験を行った。その結果を地震波の情報と比較したところ、東北日本の下ではH2Oは一度背弧側まで沈み込み、その後フロントに戻ってくるような複雑な動きをしていること、などが明らかとなってきた。将来は、ゲルマニウムを含む多くの元素の分配と上記の数値モデルを統合し、火成岩の量と化学組成を同時に予測するモデルの構築を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩森 光: "沈み込み帯の温度構造・物質循環・火成-変性作用・島洞の成長史" 月刊地球. 20. 255-264 (1998)

  • [文献書誌] H.IWAMORI: "Transportation of H_2O and melting in subduction zones" Earth Planet.Sci.Lett.160. 65-80 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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