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1997 年度 実績報告書

海洋における粒子の化学組成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740408
研究機関北海道東海大学

研究代表者

南 秀樹  北海道東海大学, 工学部, 講師 (60254710)

キーワード粒子 / 物質輸送 / 水塊 / 世界一周航海 / インド洋 / 電子顕微鏡 / X線マイクロアナライザー
研究概要

世界の海洋における粒子の化学組成を観察するため,1996年の東海大学「望星丸」の世界一周航海において表層水中の粒子を採取し,今年度は太平洋と大西洋の48試料について分析を行った。その結果,北太平洋の高緯度海域ではSi-rich粒子(Siを75%以上含む粒子)の占める割合が他の海域に比べ極端に大きく全粒子の70%以上を含む海域が存在し,大西洋ではSi-rich粒子の割合が少なくCa-rich粒子(Caを45%以上含む粒子)の割合が大きい海域が見つかった。これは海洋表層の生物生産の違いを反映しているものと考えられる。また,大西洋の40°N〜45°N付近で急に水温が低下しFe-rich粒子(Feを45%以上含む粒子)の粒子数の割合が増加した。これは,高緯度から流れ込んだ海水の影響と考えられる。したがって,太平洋および大西洋の表面水中の粒子の化学組成は水塊の特徴を反映して大きく異なることが明らかとなった。
粒子の化学組成の鉛直変化を観察するため,1997年東京大学「白鳳丸」の航海においてインド洋,アンダマン海および南シナ海の6地点(PA-4,PA-5, PA-7,PA-9,PA-10,PA-11)で試料を採取した。今年度はPA-4,PA-5,PA-7の72試料について分析を行った。粒子の乾燥重量の鉛直分布からは全海域で表層の粒子量が多く,底層付近でも増加する傾向がみられた。表層付近で粒子が多いのは大気や河川からの物質の供給と生物粒子が存在するためで,底層では堆積物からの巻き上がり,溶存物質の懸濁,他の水塊からの供給等が考えられる。また,分類した粒子の情報からはCa-rich粒子が,PA-4とPA-5では約500m層に,PA-7では100mと4400m層付近で多く存在し,溶存化学種では見出せない水塊の特徴が明らかとなった(詳細は1998年度日本海洋学会春季大会にて発表)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Minami and Y.Kato: "The behavior of arsenic in pore waters from the western North Pacific sediments" Biogeochemical Processes in the North Pacific. 338-343 (1997)

  • [文献書誌] H.Minami and Y.Kato: "Remobilization of Arsenic in Sub-Oxic Sediments from the Seafloor of the Continental Margin" Journal of Oceanography. 53. 553-562 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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