• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

ゼオライトを用いた表面吸着種の振動緩和過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740420
研究機関東京工業大学

研究代表者

恩田 健  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60272712)

キーワードゼオライト / 位相緩和 / ピコ秒 / 赤外 / 固体表面
研究概要

アルミノケイ酸塩であるゼオライトは結晶構造が均一であり、単位体積あたりの表面積が非常に大きいことが知られている。これらの特徴からゼオライト細孔内の表面吸着種は、固体表面における分子の反応や緩和過程のモデルとして盛んに研究されている。しかしながらこれまで励起状態のポピュレーション緩和の過程については詳しく研究されているが、表面吸着種の環境を直接反映した位相緩和過程についての研究はほとんど行われていない。そこで本研究ではこの位相緩和過程のメカニズムを明らかにすることを目的とした。
実験では、まずモードロック式Nd:YAGレーザーを励起光源としLiNbO_3を用いた光パラメトリック発生・増幅により約25ピコ秒の赤外パルス光を発生させた。ポンプ・プローブ法によりポピュレーションの緩和速度(T_1)を測定し、ホールバーニング法により位相緩和速度(T_2)を決定した。これらの値から純位相緩和速度(T_2^*)を求めた。それぞれ環境の異なるモルデナイト型ゼオライト(DM20)のラージケージ(LC)内、Y型ゼオライト(DY5.6)のラージケージ及びスモ-ルケージ(SC)内の3種類の表面水酸基についてT_2^*を求め比較した。T_2^*の温度変化から位相緩和の原因が低波数フォノンではなく、500cm^<-1>程度ののエネルギーをもつゼオライトの骨格振動の散乱により起こっていることを明らかにした。また、緩和速度の絶対値が同じゼオライト同士(DY5.6)ではゼオライト基盤以外の環境の大きく異なるLC、SC間に差がほとんど見られず、同じLC内でも基盤がDY5.6とDM20のように異なれば緩和速度が大きく変化することが見いだされた。この結果も位相緩和がゼオライトの骨格振動との非調和結合により起こっていることを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Onda 他: "Relaxation Process of CO stretching Model of Metal Carbonyls Adsorbed on Y Zeolites Studied by Pump-Probe Experiment" Journal of Chemical Physics. 108巻(印刷中). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi