• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

熱水中での励起分子ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740429
研究機関京都大学

研究代表者

木村 佳文  京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (60221925)

キーワード超臨界流体 / 過波回析格子法 / 水 / ベンゾフェノン / ラジカル拡散
研究概要

本研究は、過渡回折格子法、過渡吸収測定法、蛍光測定法などを応用して、熱水中での光励起反応におけるエネルギーダイナミクスと生成した分子の拡散過程の測定を行ない、通常の有機溶媒と比較して熱水に特徴的なダイナミクスを明らかにすることを目的とする。本年度では昨年から制作を行ってきた2方窓付きの高圧セルを用いて、ケチルラジカルのダイナミクスの測定をこころみた。しかしながらセルに用いた材料が有機物を含んだ超臨界水に対して十分安定でなかったために、当初予定していた反応系で測定を行うことができなかった。そこで再度材料を調達し、新規セルを制作した。その間、超臨界水と他の有機溶媒との比較検討のために高温高圧のメタノールならびにエタノール中でのべンゾフェノンの光反応ダイナミクスの測定をおこなった。制作したセルを用いて130℃、2000気圧の条件まで、ベンゾフェノン分子の光反応ダイナミクスを過渡回折格子法により測定し、生成したベンゾフェノンケチルラジカルの拡散ダイナミクスを測定することに成功した。その結果ラジカルの拡散係数も溶媒の拡散係数と相関して変化することがわかった。現在新しく構築したセルで、熱水中でのベンゾフェノンの光反応ダイナミクスの測定をはじめており、今後有機溶媒と水との比較検討を進める。これらの実験と並行して超臨界流体中での分子拡散に関するシミュレーションをおこない、拡散に対する密度効果において局所密度が支配的であることを明らかにしてきた。現在超臨界水においても同様の評価をおこなっているところであり、その違いについて検討を加えていく。またエネルギー移動の課題として、常温の超臨界流体中で時間分解蛍光スペクトルを測定し、エネルギー移動ダイナミクスの評価をおこない、基本的には2体衝突モデルで説明できることを示した。今後超臨界水系にも応用をおこない、比較検討を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Yamaguchi,Y.Kimura,N.Hirota: "Molecular Dynamics Simulation on the Solute Diffusion in Lennord-Jones Fluids." Moleuclar Physics. 94. 527-537 (1998)

  • [文献書誌] Y.Kimura,T.Yamaguchi,N.Hirota: "Vibrational energy relaxation rates in the S_2 state of azulene in pitrogen and carbon dioxide" Chemical Physics Letters. in press. (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi