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1997 年度 実績報告書

フラーレンを含む高効率光電荷分離系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09740471
研究機関大阪大学

研究代表者

今堀 博  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90243261)

キーワードフラーレン / ポルフィリン / 人工光合成 / 光誘起電子移動 / 自己集合単分子膜 / 光電変換素子
研究概要

フラーレンは新規な曲面状π電子系化合物であることから次世代の光・電子材料としての応用が期待されている。フラーレンが光誘起電荷分離を速くし、電荷再結合を遅くすることを対応するポルフィリン・キノン連結化合物との比較により既に見出している。そこでC_<60>を多段階電子移動系の発色団として利用すれば、天然の光合成と同様に前向きの電子移動を逆向きの電子移動より圧倒的に速くでき、従ってより少ない段階数、より少ないエネルギー損失で人工光合成系を構築できる可能性がある。実際にC_<60>を多段階電子移動系の部品として組み込んだポルフィリン-イミド-C_<60>3分子連結系を合成し、その光物性を検討した。分子設計されたようにポルフィリンの光励起1重項状態からイミドへの電子移動、さらにC_<60>への電荷シフトからなる2段階電子移動過程が観測され、最終的な電荷分離寿命は1.3ns、量子収率は0.46であった。特に3分子連結系においてポルフィリンの励起1重項状態の寿命はポルフィリン・イミド2分子系に比べて約30%短くなっていることからC_<60>によって空間または結合を通して電子移動が加速されることがわかった。さらにC_<60>の材料としての応用を目指して金電極上に自己組織化可能なポルフィリン・C_<60>連結分子を合成し、その修飾電極を用いて電子坦体存在下、湿式光電気化学特性を検討した。光照射時のみ大きな光電流を観測することができた。次に単分子膜の表面構造解析をフーリエ変換赤外分光法、紫外可視吸収分光法、電気化学測定法、エリプソメトリー法、X線光電子分光法により行ったところ、膜は乱れた構造をとっていることがわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Hiroshi Imahori: "A Sequential Photoinduced Electron Relay Accelerated by Fullerene in Porphyrin-Pyromellitimide-C_<60> Triads" Angew.Chem.Int.Ed.36. 2626-2629 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Imahori: "Structure and Photoelectrochemical Properties of Porphyrin-Linked Fullerenes on Gold Surface Using Self-Assembled Monolayers Technique" Proccedings of SPIE. 3142. 104-111 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiteru Sakata: "Control of Electron Transfer and Its Utilization" Pure Appl.Chem.69. 1951-1956 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Imahori: "Donor-Linked Fullerenes:Photoinduced Electron Transfer and Its Potential Application" Adv.Mater.9. 537-546 (1997)

  • [文献書誌] Hiroshi Imahori: "Supramolecular Complexation of Porphyrin and Quinone with Two Coordination Bonds and Intramolecular Electron Transfer" J.Porphyrins and Phthalocyanines. 1. 55-66 (1997)

  • [文献書誌] 今堀 博: "シンプルプラン:未来の人工光合成" 化学と工業. 50. 723-725 (1997)

  • [文献書誌] 今堀 博: "「光化学エネルギー変換-基礎と応用」-光合成反応モデル-光電荷分離モデル(超分子系)-" アイピーシー, 11 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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