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1997 年度 実績報告書

リンマクロサイクル金属錯体の合成法の開発及び性質の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09740493
研究機関広島大学

研究代表者

水田 勉  広島大学, 理学部, 助手 (70221603)

キーワードホスファマクロサイクル / 14員環マクロサイクル / 16員環マクロサイクル / テンプレート反応 / Pd錯体 / Pt錯体
研究概要

P-H結合をもつ2座のリン配位子MeP(H)CH_2CH_2P(H)Meを出発配位子として、大環状化する方法を検討した。まず、この配位子を2つPd^<2+>またはPt^<2+>に配位させた平面4配位錯体を合成し、次いで、塩基でプロトンをリンから引き抜き、環化試剤であるジハロゲン化アルキルと反応させた。その結果、14員環および16員環の大環状リン配位子をもつ錯体が得られた。14員環では収率が10%程度と低かった。そこで、環化試剤としてシスアルケン(cis-ClCH_2CH=CH-CH_2Cl)を用いて16員環化合物を合成すると収率は50%まで向上した。
合成した錯体のX線構造解析を行った結果、14員環のリンマクロサイクルのホールサイズはPd^<2+>やPt^<2+>のイオン半径よりもやや小さく、そのため錯体形成により環が外側に押し広げられていることが判った。16員環ホスファマクロサイクルでは、そのような歪みは観測されなかった。従って、16員環ホスファマクロサイクルは、これらのイオンを収容するのに適したホールサイズをもっていることが判った。また、16員環化合物では、16員環キレートが、シスおよびトランスに配向した2種の異性体の構造をいずれも決定できた。その結果トランス体では平面4配位構造の中心に位置しているのに対し、シス体では4つのリンのなす平面から0.15Å浮き上がっていることが判った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsutomu Mizuta: "Palladium(II)and Platinum(II)Complexes of a Tetraphosphamacrocycle.X-ray Crystal Structures of Phosphorus Analogs of a(Tetramethylcyclam)metal Complex." Inorganic Chemistry. 36. 200-203 (1997)

  • [文献書誌] Tsutomu Mizuta: "Chromatographic Resolution of a Diastereomeric Mixture of Tris(trans-1,2-diaminocyclohexane)cobalt(III)by Bis(m-tartrato)diantimonate(III)Anion and Association Modes Found in Their Diastereomeric Salts" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 71(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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