研究概要 |
二価ランタノイドビスアリールオキシド錯体(ArO)_2Ln(THF)_3或はビス(トリメチルシリル)アミド錯体Ln(N(SiMe_3)_2)_2(THF)_2(Ln=Sm,Yb)を一当量のサマロセン錯体(C_5Me_5)_2Sm(THF)_2とトルエン中で反応させると、C_5Me_5とArO或はN(SiMe_3)_2が一個ずつ配位したheterolepticなLn(II)錯体[(C_5Me_5)Ln(μ-ER)]_2(ER=OAr,N(SiMe_3)_2)が90-95%収率で得られた。これらの錯体は混合型配位子C_5Me_5/ERをもつ二価希土類錯体として初めての例である。これらの錯体をTHF中C_5Me_5M(M=Na,K)と反応させると、C_5Me_5Mが中性配位子として配位した極めて珍しい錯体(C_5Me_5)Ln(ER)M(C_5Me_5)(THF)_n(M=Na,n=3;M=K,n=2)を与えた。これらの混合型配位子をもつ錯体はスチレンやエチレンの重合反応において従来の同一型配位子をもつ錯体より遙に高い触媒活性を示した。とくにArOを含む錯体の場合、スチレンとエチレンの共存下で反応を行うと、対応するブロック共重合体が収率よく得られた。また、この反応においてスチレンの仕込量を調節するだけで共重合体中のポリスチレンの含量を自由にコントロールすることができ、他の金属をも含め従来の触媒には見られない特徴を示した。
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