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1997 年度 実績報告書

電気化学単原子属エピタキシ-とアニオン吸脱着挙動の関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09740510
研究機関北海道教育大学

研究代表者

田口 哲  北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 講師 (60281862)

キーワード電気化学 / 電極触媒 / 表面科学 / 単結晶電極 / 電析 / アンダーポテンシャル / 表面電気化学 / 特異吸着アニオン
研究概要

Pt(111)およびAu(111)への亜鉛イオンのアンダーポテンシャル析出(UPD)と、Au(111)へのカドモウムイオンのUPDについての研究を行い、次の新たな知見を得た。
【1】Pt(111)への亜鉛イオンのUPDメカニズムに対する特異吸着アニオンの影響を、サイクリックボルタンメトリー法とポテンシャルステップ法とを組み合わせて調べた。その結果、支持電解質溶液中に特異吸着アニオンとしてリン酸イオン(KH_2PO_4)のみを含む場合、ランダム析出-脱離により亜鉛の電析/溶解が進行するのに対し、この溶液中に臭化物イオン(Br)が含まれていると、核発生-成長過程で亜鉛の電析/溶解が進行することが明らかになった。溶液中のアニオンの種類により、UPDメカニズムが異なるという知見を得た。
【2】一方、Au(111)への亜鉛イオンのUPDメカニズムは、上記両アニオンともに、核発生-成長過程であることが分かった。Pt(111)の場合とは違い、UPDメカニズムはアニオンの種類に依らなかった。この違いは、Pt(111)の場合、UPD開始電位においてこれらアニオン種が下地電極表面に吸着しているのに対して、Au(111)の場合は吸着していない事と関係がある可能性が示唆された。また、両電極とも、亜鉛とリン酸種は共吸着していることが分かった。
【3】硫酸中および過塩素酸中におけるAu(111)へのカドミウムイオンのUPDをサイクリックボルタンメトリー法により調べた。硫酸中でのカドミウムUPDに伴う電流電位曲線には、非常に鋭い波形が観測された。一方、過塩素酸中ではこのような鋭いUPD波形は観測されなかった。また、硫酸中の多結晶Au上でも鋭いUPD波形は観測されなかった。従って、特異吸着力が過塩素酸イオンよりも強い硫酸イオンは平滑な下地金表面上でカドミウムと二次元規則構造をとり共吸着していると結論された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Satoshi Taguchi, Toshihiro Fukuda, Akiko Aramata: "Kinetic study of underpotential deposition of zinc ions on Pt(111)in acidic phosphate solution." J.Electroanal.Chem.435. 55-61 (1997)

  • [文献書誌] A.Aramata, M.Nakamura, T.Fukuda, S.Taguchi: "The under potential deposition of zinc ions on single crystal electrodes and the effect of the adsorbed anions." Proceedings of Meeting of surface electrochemistry of the metal/electrolyte interfase as portrated by structure sensitive data.1. 50-51 (1997)

  • [文献書誌] A.Aramata, S.Taguchi, T.Fukuda, M.Nakamura, G.Horanyi: "Underpotential deposition of zinc ions at single crystal electrodes and the effect of the adsorbed anions." Electrochimica Acta. (in-press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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