研究概要 |
1.機能性単分子膜の調製:原子レベルで平滑な金属蒸着膜を用い、長鎖アルカン、長鎖芳香族チオール分子の自己組織膜の形成法を検討した。良好なトンネル障壁特性を有する単分子層の形成法を確立するとともに分子薄膜の構造を反射IR等により検討した。 2.粒径数nmの金属・半導体ナノクラスターの調整:液相中において粒径、結晶系の制御された金属あるいは化合物半導体クラスターの調製法を確立した。 3.MINIM接合形成と電子伝達特性の評価:上記手法を組み合わせ各構成単位によってMINIM接合を形成し、その電位-電流曲線の測定を行った。微弱電流の測定技術を確立すると同時に接合の等価回路解析を行った。 4.電気化学STMによる接合の溶液内観察:上記の手法に従い調製された自己組織化膜/金属ナノクラスター接合を溶液内で形成し、電気化学STMによる構造評価を試みた。電気化学的な検討は水溶液中のみではなく、より広い電位領域での摂動を可能とするために極脱水したアセトニトリルなどの有機溶媒中でも検討可能な系を構築した。 5.超高速電子移動速度の評価:TiO_2,ZnOなどの酸化物半導体超微粒子と表面修飾有機分子間の電子移動特性について検討し、半導体微結晶の伝導帯と有機分子の励起準位の相互作用を制御することにより高効率の電子移動を誘起させることに成功した。
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