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1997 年度 実績報告書

ゾルゲル溶液中の色素2量化反応への溶液構造変化の影響

研究課題

研究課題/領域番号 09740540
研究機関信州大学

研究代表者

勝木 明夫  信州大学, 教育学部, 講師 (70283223)

キーワードゾルゲル反応 / 二量体 / エキシマー / パルスEPR法 / かご効果 / スピンダイナミックス
研究概要

1.ゾルゲル化合物中の2量体(dimer)の生成条件
今年度は、ゾルゲル調製条件を見積もるための基礎実験を多く行っている。その中の一つとして9-アミノアクリジン塩酸塩のゾル-ゲル中の2量化反応の研究について述べる(第74春季年会で発表予定)。
9-アミノアクリジン塩酸塩は、高濃度条件下において基底状態でdimerを形成し、dimerの励起一重項状態から熱過程でexcimerを形成することが知られている。しかし、dimerの吸収スペクトル、蛍光スペクトルはまだ、分離同定されていない。そこで、今年度は基礎データとして水溶液中での濃度変化実験による平衡定数の見積もりおよび吸収スペクトル、励起スペクトルからのdimerのスペクトルの分離を行っている。さらに、この反応系をゾルゲル溶液中で観測を行っている。ゲル化反応の初期段階ではexcimer蛍光が見られたが、その後では、excimerは観測されず、dimer蛍光とmonomer蛍光のみが観測された。反応が進行するとともに、dimer蛍光の割合が減少した。これは、ゲル化とともにシロキサン鎖が形成され、自由空間が減少してしまうため、dimerが形成されにくくなったものと思われる。現在、研究の展開としてさらに中性種であるアクリジンのdimer、excimerの観測を行っている。
2.パルスEPR法によるかご効果の研究
かご効果の点からミセルにおけるラジカル対のスピンダイナミックスについてパルスEPR法を用いて観測を行っている。現在フェノチアジン-SDSミセル系で生成する水和電子を観測している。水和電子は非常に強い発光型のスピン分極として観測されるが、そのスピン分極の生成機構については、詳細は不明である。今年度は水に不溶である消光剤を用いて水和電子のスピンダイナミックスについて研究を行っている(Spin Chemistryで一部発表済、投稿中)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐々木 伸也: "Spin-Orbit Coupling Induced Electron Spin Polarization : Influence of Heavy Atom Position" Journal of the American Chemical Society. 119・6. 1323-1327 (1997)

  • [文献書誌] 谷本能文: "Effect of High Magnetic Field on the Silver Deposition from Its Aqueous Solution" The Journal of Physical Chemistry A. 101・40. 7359-7363 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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