研究概要 |
高等植物細胞中の細胞内小胞輸送をコントロールする際に、分子スイッチとして機能する低分子量GTP結合蛋白質と共役して働いている活性調節因子を単離すると共に、これらの活性調節因子による低分子量GTP結合蛋白質の制御機構について生化学的・分子生物学的手法を用いて研究を進めている。 本年度の研究の結果、新たにAra4のGDP解離抑制因子(GDl)であるAtGDI2のcDNAを単灘に成功し、その全塩基配列を決定すると共に、シロイヌナズナ組織における発現パターンおよび酵母突然変異体を用いたGDI活性の検討を行い、以前に単離を報告したAtGDI1とほぼ同様の性質を持つことを明らかにした。(Ueda et al.,1998) 現在、更に未知の低分子量GTP結合蛋白質活性調節因子を単離するために、Two-hybrid法を用いてAra4およびその突然変異分子と結合する分子の探索を行っており、新たな活性調節因子が単離できれば、これを組み換えタンパク質として発現させた物を用いて、Ara4との結合や活性調節機構について詳細な研究を行う予定である。
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