1.新規nodulin(AsNODc22)の組織内での発現の解析 AsNODc22は我々がレンゲソウにより取得した根粒特異的遺伝子の一つである。機能は不明であるが、N末端にシグナル配列を持ち、根粒内の細胞の細胞壁等に局在して機能すると予想される。そこで、根粒内におけるAsNODc22局在を免疫学的に解析した。大腸菌中で発現させたAsNODc22に対するポリクローナル抗体を作製し、イムノブロッティング法でAsNODc22の器官特異的性を調べたところ、根粒特異的であった。ついで、根粒器官におけるAsNODc22の局在を高解像度の間接蛍光抗体法で調べた。根粒菌が感染した細胞では、細胞壁に沿って特異的なシグナルが観察されたが、根粒内にあっても菌が侵入していない細胞ではシグナルは認められなかった。また、分裂組織周辺の未分化な状態でも、菌が侵入した細胞ではシグナルが認められた。 これらの観察より、AsNODc22は根粒菌の感染によって誘導される、細胞壁構成成分であると判明した。根粒特異的な細胞壁タンパク質は今までにも報告があるが、いづれもプロリンリッチタンパクでAsNODc22とは異なっており、AsNODc22の機能は興味深い。また、AsNODc22は菌侵入後、早い直ちに発現することが、確認されており、根粒内での細胞分化の指標として有用であることが判明した。 2.根粒特異的クローンF-32の解析 F-32はDifferential dislplay法により単離したレンゲソウの根粒特異的に発現する遺伝子の断片である。F-32のORFの全長を取得し塩基配列を決定したところ、subtilisin様のプロテアーゼをコートしていた。
|