研究概要 |
1.DNAの抽出 藻体からの前DNAの抽出には培養藻体を用いた.当初はPCRに用いることができるDNAは得られなかったが,藻体のつぶし方や用いる藻体の量を工夫し,UNSET法とGENE CLEAN IIによる精製を組み合わせることでPCRに用いることができるDNAを得ることができた. 遊走細胞からのDNAの抽出にはベンジルクロライド法が有効であった. 2.DNAの塩基配列の決定と系統解析 PCRのためのプライマーについては,すでに発表されているものでは良い結果が得られなかったので新たにプライマーを作成し,14種(ムラチドリ,モサクダフクロ,フクロノリ,ウスカワフクロノリ,ホソクビワタモ,ワタモ,カゴメノリ,カヤモノリ,カヤモドキ,ウスカヤモ,ヒラカヤモ,ホソバノセイヨウハバノリ,セイヨウハバノリ,ハバノリ)についてリボソーム遺伝子のITS2領域とrbcLとrbcS遺伝子の間にあるスペーサー領域のDNA塩基配列をPCRダイレクトシークエンス法により決定した.最節約法と近隣接合法により系統樹を作成したが,ブートストラップ値の低い枝が多く,有効な情報は少なかった.rbcL遺伝子についてもPCRのためのプライマーを作成し,4種(カゴメノリ,カヤモノリ,ホソバノセイヨウハバノリ,セイヨウハバノリ)について塩基配列を決定した.
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