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1997 年度 実績報告書

メゾスコピック磁性薄膜素子における静的及び動的磁化過程の直接観察

研究課題

研究課題/領域番号 09750003
研究機関東北大学

研究代表者

久保田 均  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30261605)

キーワード磁性薄膜 / 希土類磁石 / ネオジウム / 微細加工 / エッチング / フォトリソグラフィー / 単磁区粒子 / 保磁力
研究概要

本研究ではソフト及びハード磁性薄膜の静的磁化過程及び動的磁化過程がサイズの微小化によってどのように変化するかを明らかにする事を目的としている.今年度はハード磁性薄膜であるFe-Nd-B薄膜に対して,微細加工プロセスの影響を明らかにする事及び最小1μmまでの範囲における磁気特性のサイズ依存性を明らかにする事を目的として実験を行った.実験方法 スパッタ法により作製したTi(50nm)/Fe-Nd-B(500nm)/Ti(50nm)薄膜を,フォトリソグラフィーおよびアルゴンイオンミリングを用いて微細化し,一辺(L)が1,2,5および10μmの正方形ドットアレイを作製した.1つのドットアレイは5x5mm^2で最大408_x408個のドットの配列である.Lの異なる4種のドットアレイを同一基板上に作製しそれぞれの磁化曲線を調べた.実験結果厚さ1μmのFe-Nd-B薄膜の微細化を行ったところ,L<5μmでは保磁力が急激に減少した.厚さ1μmの場合,Fe-Nd-B層のエッチングが完了する前にレジスト層が消失してしまう.その結果,Nd-Fe-B層上部までエッチングされてダメ-ジを受けたため保磁力が減少したと考えられる.そこでNd-Fe-B薄膜の膜厚を厚さ500nmに薄くして微細化を行った.保磁力はL>5μmでは1.6kOeで一定であったが,それ以下のサイズになると保磁力は増加しL=1μmでは1.9kOeであった.保磁力増加の原因としては,(1)ドットサイズが単磁区粒子サイズに近づいたために生じた本質的な磁気特性の変化,及び(2)加工プロセスのダメ-ジによる膜構造の変化が考えられる.(2)の影響を除くためには反応性イオンエッチングによる微細化および作製プロセスの改良等が有効である.次年度はこの点に注意しながら電子線描画装置を用いてさらに微小化し本質的な磁気特性の変化を明確にとらえるための実験を計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 猪狩 崇之, 久保田 均, 加藤 宏朗, 宮崎 照宣: "Nd-Fe-B薄膜の微細化と磁気特性" 1997年応用物理学会東北支部第52回学術講演会講演予講集p.191. 191-192 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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