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1998 年度 実績報告書

メゾスコピック磁性薄膜素子における静的及び動的磁化過程の直接観察

研究課題

研究課題/領域番号 09750003
研究機関東北大学

研究代表者

久保田 均  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30261605)

キーワード微小ドット / 希土類磁石 / ネオジウム-鉄-ボロン / 微細加工 / 電子線リソグラフィー / フォトリソグラフィー / マイクロマグネティックス / 保磁力
研究概要

本研究ではソフト及びハード磁性薄膜の静的磁化過程及び動的磁化過程がサイズの微小化によってどのように変化するかを明らかにする事を目的としている.今年度はハード磁性薄膜であるFe-Nd-B薄膜に対して,(1)フォトリソグラフィー,電子線リソグラフィーを用いた微細加工プロセスにより1μm以下のサイズのドットアレイの作製する事,(2)これらのドットアレイの磁気特性のサイズ依存性を明らかにする事を目的として実験を行った.実験方法スパッタ法により作製したTi(50nm)/Fe-Nd-B(500nm)/Ti(50nm)薄膜を,フォトリソグラフィー,電子線リソグラフィーおよびCF_4ガスを用いたRIE,Arイオンミリングを用いて微細化し,1辺(L)が0.5,1,2,5および10μmの正方形ドットアレイを作製した.1つのドットアレイは最大408×408個のドットの配列である.Lの異なる4種のドットアレイを同一基板上に作製しそれぞれの磁化曲線を調べた.実験結果 L>5μmでは保磁力は加工前の値とほぼ等しくHc=1.6kOeで一定であったが,それ以下のサイズになるとH_cは増加しL=0.5μmではH_c2.2kOeであった.Hc増加の原因を考察するため,マイクロマグネティックス理論に基づく計算を行った.その結果,実験結果をほぼ再現することができた.微小ドットの表面にある粒子は隣接粒子数が少なく,隣接粒子から受ける交換相互作用が減少する.ドットサイズの減少に伴い,表面粒子の占める割り合いが増加するため,ドット全体のH_cが増加すると考えられる.本研究により,ハード磁性薄膜であるFe-Nd-B薄膜の微小化に伴うマクロな磁気特性の変化が明らかとなった.今後はドット内部の局所的な磁化過程の観察,及び強磁性共鳴等を用いたミクロなスピン状態の測定を行い,微小磁性体の磁気特性の系統的な理解を深めることが必要である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 猪狩崇之,久保田均,加藤宏朗,宮崎照宣: "Nd-Fe-B薄膜の微細化と磁気特性" 1997年応用物理学会東北支部 第52回学術講演会 講演予講集. 191-192 (1997)

  • [文献書誌] 猪狩崇之,石曽根昌彦,久保田均,加藤宏朗,宮崎照宣: "Nd-Fe-B薄膜の微細化と磁気特性" 1998年第22回日本応用磁気学会学術講演概要集. 147-147 (1998)

  • [文献書誌] 猪狩崇之,石曽根昌彦,久保田均,加藤宏朗,宮崎照宣: "Nd-Fe-B薄膜の微細化と磁気特性" 1998年応用物理学会東北支部 第53回学術講演会 講演予稿集. 167-167 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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