研究概要 |
本年度は1.3次元結晶構造を生成する多光束レーザー照明の条件解明,2.微粒子の3次元結晶性配列の実現と分光特性の測定,3.フォトニック結晶の分光特性の計算機シミュレーションの3つの研究項目を計画した.新たに得られた具体的な成果は以下の通りである. 1.多光束干渉現象の理論解析から,3次元結晶構造を有する光強度分布を形成するには,少なくとも4光束照明が必要であることを明らかにした. 2.すでに提案されている2次元六方格子構造を生成する3光束レーザー照明法に,いずれの3光束とも同じ位置関係にある第4番目のレーザー光束を導入することによって,三方晶系(三方晶)および立法晶系(単純格子,体心立方格子,面心立法格子)の3次元光強度分布を形成できることを明らかにした. 3.これらの結晶格子構造と4光束レーザー光の角度関係を照射レーザー光の波数空間において系統的に説明する方法を,結晶学における逆格子の概念を導入して確立した. 以上のレーザー照明条件を簡単に実現する方法として,既存のコーナーキューブプリズムの利用と屈折率マッチングオイルの組み合わせによる制御を提案した. なお,実験を伴う研究計画項目2およびその結果を基にして計画した項目3については,異動直後である研究代表者の実験研究の環境が整備できなかったため(学科新設に伴い,研究施設は新たに建設,1998年2月完成),ようやく着手したに止まり(1998年3月現在),具体的な成果は未だ得られていない.
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