研究概要 |
近年、ますます発展している高度情報化社会においては、情報伝送の高速度・大容量化、および波長の異なるネットワーク間での高速な光波長変換技術が強く求められている。そこで、本研究では、ファイバーレーザーをベースに高速繰り返しの光パルス光源の研究と疑似位相整合を用いた光波長変換技術に関して研究を行っている。研究内容は以下の通りである。 1.レーザー媒質としてErドープファイバーを用い、共振器内に音響光変調器を含むリング型共振器を有するファイバー型周波数シフト帰還型レーザーを構成 した。中心波長1.558μm、スペクトル広がり約350Ghzの発振動作を確認した。 2.出力光をマッハツェンダー型干渉計によるホモダイン検波実験より、出力光のスペクトル構造は、チャープコム構造であることを明らかにした。 3,疑似位相整合による光パラメトリック相互作用を用いた光波長変換器の基盤技術のために、光損傷に強いLiTaO_3のバルクドメイン超格子(周期:21.3μm、厚さ:500μm)の作製とLiNbO_3のバルクドメイン超格子を用いた光パラメドリック発振の実験を行った。発振特性では、ポンプ波長1.06μm、シグナル波長1.6μmにおいて、シグナル波に対するスロープ効率55%、出カパワー590mWが得られた。
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