1 紫外光ポーリングによりガラスに発現する2次光非線形性の起源究明 ・紫外光ポーリングにより、Ge添加SiO_2ガラスにある種の規則化構造が誘起されることを、X線回折法や透過電子顕微鏡観察、さらにはラマン分光法などの手法を用いて発見した。 (豊田中央研究所、ミクロ解析研究室 広瀬室長、妹尾研究員らとの共同研究による) ・紫外光ポーリングにより発現する2次光非線形性の大きさが、熱ポーリングなど従来法に比べて約1桁以上増大すること、また単一指数関数型の緩和挙動を示すことは、上述の規則化構造に起因することを明らかにした。 ・第三高調波発生(THG)の測定から、紫外光ポーリングにより3次の光非線形性(χ^<(3)>)が約15倍に増大することを見出した。 ・以上の結果は、2次光非線形性の発現及び緩和が空間電場モデル(χ^<(2)>=3E_<sc>χ^<(3)>)により説明出来ることを強く示唆しており、機構解明に決定的となる実験事実を明らかにしつつある。 2光集積回路用の薄膜ガラスの2次光非線形性・フォトニクス分野において必須となる光集積回路として用いられる薄膜光導波路の基盤研究について、スパッタ法により精製したガラス薄膜に紫外光ポーリングを行ない2次光非線形性の発現を確認した。 ・ガラス薄膜のGe濃度やスパッタ中のAr/O_2のガス流量比、さらには成膜後の熱処理条件などについて、最大の2次光非線形性を得るための最適化を行なっている。現時点で得られた最も大きな値は、d=12.5pm/V(パルク:d=5.1pm/V)である。
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