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1998 年度 実績報告書

数値計算の品質制御用数値情報処理システムの試作研究

研究課題

研究課題/領域番号 09750085
研究機関中央大学

研究代表者

久保田 光一  中央大学, 理工学部, 助教授 (90178046)

キーワード計算の品質 / 高速自動微分 / 自動微分 / 誤差評価 / 数値情報処理
研究概要

本研究の目的は,従来プログラム言語ごとに独立して定められていた数値のデータ型(整数,単・倍精度)をプログラム言語と切り離して確立し,新たに有理数,精度・指数部可変浮動小数点数,自動微分用の数,級数展開数,精度保証数等の数値用データ型を加え.ひとつの計算環境として提供することであった.昨年度当初はこの目標に向かって研究を進め始めたが,昨年度中に,計算の品質保証の基礎技術である「高速自動微分法」の「欠点」を一般的に解消するシステムの試作に成功し,本年度はその拡充を図り,論文としてまとめた.
高速自動微分法により,計算誤差の大きさを精確に評価できることは以前から知られていたが,その反面,計算「時間」に比例する領域が必要であるという欠点があった.現在,メモリは安価になってきたとはいえ,巨大な計算に対してはメモリ不足により高速自動微分法を実行できなくなることは事実である.
多少の計算時間の増加を許して,この欠点を解消する理論的な方法は,ドイツのA.Griewankにより与えられていたが,これを実行するには,プログラムの実行を凍結し,コピーし,解凍して再実行するという機能が必要である.一般的なコンパイラを利用しながらこの機能を提供することは,世界的に見ても未だ成功例がなかったが,今回,高速自動微分法の処理系とUNIXのプロセス処理を組み合わせて,一般的なFORTRAN77プログラムに対して,メモリ効率の良い高速自動微分法を適用できるようなシステムの試作に成功した.
この結果は, Optmization Methods and Softwareという論文に投稿し,1998年12月に採録された.現在はシステムの改良中である.また,本研究を含めて,10年来の研究成果をとりまとめた著書「アルゴリズムの自動微分と応用」を中央大学理工学部伊理正夫教授と共著でコロナ社より出版した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Kubota: "A Fortran preprocessor for reverse mode automatic differentiation with recursive checkpointing" Optimization Methods and Software. 10. 319-335 (1998)

  • [文献書誌] 久保田光一、伊理正夫: "アルゴリズムの自動微分と応用" コロナ社, 282 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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